次ページ 営業の辛さときつさと心の守り方 お客様編
まず最初に、営業の辛い所やきつい所は、殆どが成績が上がる事で解消されます。
目次
大人が叱責、罵倒される世界
大人が叱責されたり罵倒されるような場面は、そうそう無いように思います。通常、どんな人が叱責されたり罵倒されたりするのかイメージしてみると、「目に余る程やる気がない人」とか「すごく出来の悪い人」が目に浮かびます。
しかし、営業の現場では、平均的な成績の営業マンが普通に上司からきつく叱られますし、新規開拓などは、お客様から叱られたり罵倒されるのは当たり前の日常です。
始めたばかりの頃は、素直に自分の悪い所を探しますが、状況が呑み込めてくると、無理難題を言う上司やお客様に対して、「てめぇがやってみろ」とか「ふざけんな」とか思うようになります。
良い事ではありませんが、この気持ちが芽生えず自分で抱え込んでしまう営業マンは、精神的にかなりきつい事になると思います。意識高い系の人に聞かれたら怒られそうですけども。
叱責・罵倒対策 その① 愚痴や陰口を言い合える同僚を持つ
一般的に、愚痴や陰口は悪い事とされていますが、きつい仕事には、愚痴や陰口を言い合える同僚は大切だと思います。社外の人に言ってはいけません。
私は営業マン時代、愚痴や陰口をまったく言わない営業マンでしたが、愚痴や陰口がそんなにいけない事ではないと思っていたら、ずいぶん楽だったと思います。
愚痴はおおいに言いましょう。しかし、愚痴を正当化してはいけません。愚痴を言って吐き出したら、やる事はやるんです。
陰口は、上司の陰口はOKですが、出来ていない営業マンの陰口はNGです。同僚から陰口を言われる程出来ていない営業マンには、愚痴を言い合える同僚もいないように思います。
言われた営業マンが本当に追い込まれてしまいます。愚痴仲間に引き入れてあげましょう。
陰口は、本気でガチの陰口はNGですが、軽いものならば、言われた方も免疫が付きメンタルが鍛えられます。
よく「陰口を言うな、面と向かって言え。」などと言いますが、私は自分の陰口が聞こえたら「聞こえないように言えよ。」くらいは言い返せますが、面と向かって言われたら耐えられません。
叱責・罵倒対策 その② リセットしてシンプルに
叱責や罵倒をされ続けていると、何を何処から手をつけたら良いのかわからなくなって、まともに思考出来なくなってしまう事もあります。パワハラという奴です。
もちろん、そんな状態になるのは、上司が悪いです。部下にまともな指導も出来ない上司の能力の問題です。しかし、被害を被るのは自分です。
不幸にして、そんな状態になってしまったら、これだけ考えて下さい。営業は、どんなに工夫しようとしても、「①誰に ②何を ③どう勧める」しか工夫する余地はないんです。例えば、勧める商品が決まっているのならば、誰にどう勧めるかにだけに集中して考えて下さい。
販売目標という名のストレス要因
営業職には殆どの場合、販売目標という名のノルマがあります。目標と云いつつも「最低この金額は販売しろ。」という必達の数字です。
色々な商品にそれぞれ販売目標があり、その総額は、平均的な営業マンでは少し達成しずらい金額に設定されています。
ゆえに営業マンは、全力で走らされるプレッシャーと、達成出来ないストレスを抱える事になります。
会社はなぜ需要以上に商品を販売する計画を立てるのでしょうか。需要の範囲内で計画を立てれば、無理なく販売出来、お客様にも嫌われないのに。
唯一無二の商品を販売している会社なら別ですが、通常、どんな会社にも競合他社が存在します。常に他社とシェアの奪い合いをしているため、今ある需要で販売計画を立てていたらシェアはどんどん縮小していってしまいます。
また、研究開発費や社員給与などのコストを考えると、出来の良し悪しに関わらず、最低販売しなければならない個数もあります。どう見ても他社製品より劣っている商品でもです。
必達の数字ですので、時間内に終わらなければ残業してでも達成させる事になります。しかし、残業して不足を埋めるような状況になっている時は、もうめぼしいお客様へのアプローチは済んでいます。
購入してくれる見込みのあるお客様が、殆どいない中での営業になりますので、親しいお客様、或いはそうでないお客様にもお願いして購入してもらう事にもなります。
お客様にお願いして購入してもらうような、お客様に負担を懸ける販売は、とても嫌な事で誰もしたくありません。
そして、何より辛いのが、自分が出来なかった場合、同僚にその負担を強いる事になる事です。
これらを回避するためには、頑張って顧客を増やすしかありません。
ノルマは大きなストレス要因ですが、逆にノルマ以上に販売が出来るようになれば、営業の辛い きついは一気に解消されます。
商品販売の一般的なサイクルと営業マンの行動
1つの商品の、販売の始まりから終わりまでの営業マンの行動の流れを説明します。
商品の難易度によって、最初から進捗状況を聞かれる事もありますし、皆で埋めに行く期間が早まったり無くなったりもします。
ある商品の販売が始まると、まず、営業本部から支店に販売目標が割り振られます。支店の販売目標が各課に、課の販売目標が個人毎に割り振られます。この販売目標がノルマです。
ザックリと一般的な話ですが、商品の募集期間が3週間あったとします。
募集開始後1週間位は各個人で自分の数字を追います。この期間は、上司にそれほど細かく進捗状況を問われる事はありません。ただし、いつも出来ていない営業マンは、この段階から上司の管理が入ります。
2週間目は少し慌ただしくなってきます。この期間に自分の数字が終わっていれば、3週間目の始まり位までは、その商品に関してはゆっくり出来ます(営業は、複数の商品を同時進行で販売しているため、本当にゆっくり出来る期間はあまりありません)。まだ終わっていない営業マンは、過去の実績や進捗状況次第で、上司に詰められながら数字を追う事になります。
最後の1週間は、支店や課の数字を埋めに行きます。終わっていない営業マンの数字を、出来ている営業マンも参加して埋めに行きます。この段階で自分の数字が残っていると、上司に「お前の数字を皆でやっているんだからな!」などと言われながらやる事になります。終わっていない営業マンは、毎回だいたい同じメンバーなので、なかなかの針のむしろです。
それが嫌で、たまたま終っていない営業マンなどは、「決まる宛てがある」とか「決まってます」と先に申告してしまい、後から数字を埋めに行ったりします。これを「呑む」とか「旗をふる」と言います。ただし、この数字は絶対に取消せません。宛てが外れたら、他のお客様を探して決めなければなりません。そして、恐ろしい事に、上司に「呑む」事を強要される事もあります。
上司はなぜ無茶を言う?ストレスを運んで来る人。
上司も元は営業マンです。到底出来ない数字は、到底出来ないものとわかるはずなのに、なぜ、それが出来ないと言って部下を叱る事が出来るのでしょう。営業マンの誰もが1度は持つ疑問です。
1つには部下を管理する事が仕事だからです。そして、部下を引っ張って行く立場なので、諦めた姿勢を微塵も見せる訳にはいきません。
何より、課長も支店長から、支店長も営業本部から数字をせっつかれているのです。彼らは、自分がやるわけでもないのに、部下を信じて「はい、出来ます。」等と答えなくてはいけません。ちょっと同情してしまいます。
もう1つ、自分が営業マン時代にはこのくらいの数字は出来ていたと、本気で思っている上司もいます。確かに営業課長になるためには、優秀な営業マンという過程を通っていますので、本当に出来た人もいるのでしょう。しかし、殆どは錯覚です。
自分が営業マン時代にこなせていた仕事のイメージは、たぶん自分が1番出来ていた頃のイメージです。それも少し下駄を履かされています。こちらに同情の余地はありません。おもいっきり陰口を叩いてあげましょう。
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② 営業の辛さときつさと心の守り方 お客様編
会社の方が大切なのに顧客第一主義?なぜ需要を超えた販売目標をたてるの?商取法とか法令って、すごくクレーマーやお客様の味方をする・・・。企業とお客様の接点である営業マンにはストレスがいっぱいです。