王道テーマ

② クレーマー、トラブル客、面倒なお客様が来てしまった時の対応

2022年5月10日

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王道テーマのクレーマー対応です。前回はクレーマーを避ける方法、今回は、クレーマー、トラブル客、癖の強いお客様が来てしまった時の対応です。

クレーマーらしき人が来てしまった時の対応

クレーマーらしき人が来てしまった時の対応で一番難しい事、一番判断を誤ってはいけない事は、クレーマーと、トラブル客や癖の強いだけのお客様を見分ける事です。

クレーマーとは関係を切りにいきますが、トラブル客や癖の強いだけのお客様とは関係を切ってはいけません。

そして、対応する前にハッキリとさせておくべき事もあります。クレーマーと判断した場合、繋ぎ止める必要はなく、関係を切るつもりで対応して問題ないかという事です。

それと、自分にどこまでの権限があるのかです。取引きを切る権限や相手の要求を飲む権限があれば対応しやすいのですが、上司によっては、或いは自分の立場によっては、どちらも与えられていない場合もあります。

取引きを切る権限も持たずにクレーマーを相手にする事になった場合、ハッキリ言ってサンドバッグ状態です。「何でこんな事しているんだろう」って思います。権限寄越さないならお前が出てこいバカ上司とも思います。

話を戻します(^-^)

流れとしては、まず、相手がどうしたいのか要望を聞きます。そして、その要望の中で、応えられる事と応えられない事を伝えます。応えられない事について代替え案があれば伝えます。

クレーマーらしき人たちは、要望を伝える前、若しくは、後に、ひたすらその要望に到った理由を話し続ける傾向があります。簡単な説明なら良いのですが、延々とその話を聞き続けるのはダメです。

顧客対応をしている人なら分かると思いますが、理由に依って要望が通る場合と通らない場合があるなどという事は、決められた場合以外では殆んどありません。少し聞けば、通る話か通らない話か分かると思います。

要望を聞きそれに対する解答をして、初めて話し合いが始まるのですから、まず、要望を聞きましょう。

トラブル客、癖の強いお客様、クレーマーの違い

実際に明確な定義があるのかは知りませんが、このブログでは次のように分けて考えています。

トラブル客というのは、こちらのミス、或いは、話の食い違いや認識の違いなど、明確な理由があり、それが解決すれば問題も解決するお客様です。

基本的には、トラブルの理由も要望も常識の範囲内のお客様です。しかし、それが飛び火して、あれもこれも気に入らないとなる人はクレーマーと考えられます。

癖の強いお客様のイメージとしては、営業マンの選ぶ言い回しや行動などにタブーがあり、それをしてしまうとちょっと面倒になるお客様です。ちょっと面倒なだけのお客様とも言えます。

クレーマーは、通常の営業対応では対処しきれない客で、トラブルの理由や要望が常識の範囲を超えている客です。取引きを続けると、メリットよりもデメリットの方が大きい客と考えられます。

トラブル客への対応 クレーマーに変貌させてはいけません

トラブル客は普通のお客様です。トラブル客の対応で注意しなければいけない点は、トラブル客をクレーマーに変貌させてはいけないという事です。

お客様はトラブルがあり、気分を害した状態、或いは、ご立腹の状態で話し合いが始まります。

そこに不用意な一言を言うと、お客様の性格によっては、取り返しの付かない事になります。

対応が難しいケースとしては、トラブルの原因を聞くとこちらに非があるのに、社内の規定や営業方針などで、十分に対応出来ない場合などです。

この場合、代替え案を提示する事になるのですが、十分ではない事も多く、「お気持ちはわかりますが、何卒これでお納め下さい。」と頭を下げてお願いする事になります。状況によっては、頭を下げる事も出来ない場合もあります。

その場の営業マンの態度と、これまで築き上げてきたお客様との人間関係がものを言います。

クレーマー対応の「べからず集」は、トラブル客の「べからず集」です

クレーマー対応について調べてみると、「べからず集」のようなものがありました。(私も一応裏を取って記事を書いているのです(^o^))

しかし、私のやってきたクレーマー対応と違いすぎて、ちょっとビックリしました。その場を納めるためだけの対応じゃないの?それで本当にクレーマーが来なくなるの?と。

何となく、一般的なクレーマー対応として書かれている事の多くは、トラブル客への対応のようです。これからも取引きを継続してもらいたいお客様への対応です。

「間違いを指摘するな」「話を遮るな」「火に油を注ぐな」等々。また、「不快な思いをさせた事には謝りなさい」「落ち着かせるために気を使いなさい」等々。クレーマー対応としては当て嵌まりませんが、トラブル客への対応としては当て嵌まります。

 

癖の強いお客様は、ちょっと面倒なだけのお客様

癖の強いお客様というのは、ツボに入ってしまうとクレーマーのようにも見えます。

しかし、ツボの位置はだいたいわかっていて、それさえ気を付ければ通常の営業で対応出来るお客様です。

営業マンの選ぶ言い回しや行動にタブーがあり、それをしてしまうとちょっと面倒になるお客様です。

面倒臭い事には変わりないので、クレーマーと間違えて取引きを切ってしまっても、それほど問題なさそうに見えますが、実は大問題です。

と言うのも、癖の強いお客様は、営業マンを大きく成長させてくれるお客様だからです。良いお客様という意味ではなく。

こういうお客様と良好に取引き出来るようになると、他の営業マンよりも顧客の幅が拡がります。更には、普通のお客様に対しても、「このお客様はこういう事は嫌がる」とか「今ちょっと嫌な顔をした」「嬉しい顔をした」などという事に、知らず知らずのうちに敏感になります。

この変化は、癖の強いお客様を上手くコントロール出来るようになると、ハッキリと自覚出来ると思います。

癖の強いお客様を、クレーマー扱いしてはいけません。特徴を掴むまでちょっと面倒なだけのお客様です。特に、自分に甘い営業マンは要注意です。

クレーマー対応 毅然とした態度を心掛けましょう

クレーマーは、何処にツボがあるのかわからなかったり、ツボに入ってしまうと次々と別のスイッチが入っていったり、要求も過剰で通常の営業では対応しきれない客です。

営業対応の目的は、帰ってもらう事、取引きをやめてもらう事になります。

関係を切ると決めたら、こちらの神経をすり減らして、相手の感情に気を使う必要はありません。その細やかな神経は、他の自分に良くしてくれるお客様のために取っておきましょう。

こちらに非があり、それが謝っても問題ない事ならば、こちらの不備に対してのみ限定して謝って置きましょう。

対談中は、牽制する意味で、メモを取るとかオウム返しで相手の言葉を復唱するのも有効です。

クレーマー対応の「べからず集」は当てにしてはいけません。

「間違いを指摘するな」「話を遮るな」「火に油を注ぐな」等々。クレーマーに対しては全部やって良いと思います。

また、「不快な思いをさせた事には謝りなさい」「落ち着かせるために気を使いなさい」。クレーマーには必要ありません。

これらは、取引きを続けてもらうために必要な努力です。

関係を切る以上、相手の感情に配慮する必要はありません。むしろ、気持ち良く帰ってもらったら、また来てしまいます。出来るなら、「二度と来るか!」と言わせたい所です。言質が取れます。

撃退が成功しそうになると、クレーマー側から少し雰囲気を和らげて来たり、結論を保留にして次回に持ち越そうとして来る事があります。安易に受け入れてはいけません。出来る限りのその場で結論を出させましょう。出直して来た時には、HP満単で対策も練って現れると考えて下さい。

クレーマーは、こちらに精神的ダメージを与えようとしています。撃退するには、こちらもある程度の精神的ダメージを受ける覚悟が必要です。

クレーマーのメンタルは、少しおかしかったり、常人にはないスタミナがあったります。

「なるべく精神的ダメージを受けない方法を。」と考えるのではなく、多少余分にダメージを負っても、終わらせるという気持ちを優先しないと、結局長期化して莫大なダメージを負う事になりかねませんし、それ以上に、大事な営業時間をゴッソリ持っていかれます。

法的根拠のあるクレーマーの言動の拒否

「弁護士を雇って裁判」という状況にならなければ殆んど効力はありません。迂闊に指摘すると却って面倒な事になる事もあります。しかし、それでも知って置くと、キッパリと断る事は出来ます。クレーマーが口にしそうな、犯罪に当たる言葉の一部です。

  1. 脅迫罪・・「ネットで晒す」などの害悪を告知する行為。
  2. 強要罪・・「担当者を辞めさせろ」「土下座しろ」「謝罪文を書け」などの義務のない事をさせる行為。
  3. 恐喝罪・・「迷惑料をよこせ」「慰謝料を払え」「誠意を見せろ」などの金品を脅し取る行為。
  4. 威力業務妨害罪・・大声で騒ぐ、大きな音で威嚇する、恫喝するなどのその場にいる人の意思を制圧して、業務を妨害する行為。
  5. 不退去罪・・帰るように伝えているのに受け入れず居座る行為。

慣れたクレーマーなら、さすがに3.や4.はないと思いますが、1.や2.や5.は割りとあるように思います。

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① クレーマーを作るな!好かれるな!横車を押してみる客

「取り敢えずカマしてみる」「横車を押してみる」「ゴネてみる」というお客様をクレーマーに育ててはいけません。クレーマーや面倒な客を呼び寄せてはいけません。クレーマーを作らない、好かれない、呼び寄せない事が、一番のクレーマー対策です。

 

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