王道テーマ

③ 難易度の高いクロージングと約定後のフォロー

2022年5月2日

最初のページ     ① クロージングの役割りと事前準備

前ページ     ② クロージングでする事としてはいけない事

営業関係の王道のテーマの1つ「クロージング」最終回です。

前回、前々回で、クロージングの事前準備、クロージングの時にする事としてはいけない事のお話しをしました。

今回は、断られそうなのにクロージングに進まなければならない時と、クロージングの後のフォローについてです。

断られそうなのにクロージングに進まなければならない時

本来は、事前準備で成約出来る見込みが高い状態に持っていってからクロージングに入るべきなのですが、そうも言っていられない時もあります。

証券営業の現場では、限られた時間の中で営業し、訪問先で1~2時間の間に商品提案からクロージングまでこなさなければならない事も普通にあります。

特に、「商品に販売期限がある」、「今日までに結果を持って帰らなければならない」など、断られそうな状況でもクロージングに進まなければならない事があります。

ダメ元の状態ですがダメ元などとは言っていられません。少しでも成約率を高めるためにする事の一例です。使えるところだけ使っていただけたらと思います。状況によって他にも方法は色々あると思います。

断られそうなのにクロージングに進まなければならない時は、まるで別の商品を勧めているのではないかと思えるくらい、明るく朗らかな声で入りましょう。

断ろうとしている気持ちを一変させなければならないのだから、雰囲気をガラッと変えなければなりません。

逆転させるための武器は、お客様の理解が足りていなさそうなポイントがあればその部分と、後は「お願い」です。

お客様は断ろうと思っているのに粘る訳ですから、普通に勧めたら「しつこい」と思われるリスクが高い状況です。お客様の理解が不足している部分を攻める事で、お客様にも新しい発見があり、粘っても「熱心」と捉えて貰える可能性が高まります。

商品説明の段階で、①お客様が断ろうとしている原因と、②それはどのくらいの気持ちなのか。良いと思っている特徴があるのならば、③それは何で④どのくらいの気持ちなのか。⑤その差はどのくらいあるのか。

人間関係やお客様の性格を考慮して、⑥その差は「お願い」でどのくらい埋まるのか。

数値とか円グラフとか棒グラフとか、人によってイメージしやすい形は違うとは思いますが、この辺りを、クロージングを始める前に、なるべく具体的にイメージします。

そして、足りない差を、お客様の理解が不足している部分を絡めながら、再度、お客様が良いと思っている特徴を説明して埋めていきます。

最後に「お願い」して埋まるだろうところまで詰めたら、気持ちを込めて頭を下げて「お願い」します。

「お願い」は信頼の前借りのようなものです。約定後、しっかりと誠意ある対応で返していかなければなりません。

私にはこのくらいしか思い付きません。支店では「出来の悪い後輩が、自分の帰りを口を開けて待っている」くらいの覚悟を持って挑みましょう。

そして、断られる結果が見えていても、クロージングまで進んだら結論を出しましょう。

結論を出さないと、お客様は「断ったつもりだが、まだ勧めて来るかも知れない」という気持ちを心の何処かに持ったままでいる事になります。そんな状態で放置したら、お客様は、自分に常に漫然とした警戒心を持つことになってしまいます。結論を出す事で、お客様に気持ちをリセットしてもらいましょう。

なお、失敗した時のフォローしやすさを、どのくらい考慮に入れるかは、その時の状況次第です。店全体の商品販売の進捗状況や、自分の進捗状況、この商談の成約率等々いろいろ考えます。

約定後の対応  笑顔とお礼の言葉は必須です

約定した後は、笑顔とお礼の言葉は必須です。ハッキリとお礼の言葉を言いましょう。お礼の言葉で、お客様は「約定したんだ」という区切りが付きます。少なからずキャンセルの防止にもなります。

大きな約定を貰ったら、後日、菓子折りを持って挨拶に行くなども効果的です。

「約定するまではすごくしつこかったのに、約定した途端に何のフォローもない」などと言う不満がお客様からよく聞こえてきます。

確かにフォローが必要な事はフォローしなければいけません。しかし、正直、それほどフォローの必要ない商品もありますし、しばらくは次の提案をする事もないお客様もいらっしゃいます。

その場合、「ただ挨拶に行って顔を出すだけ」などという時間は、忙しい営業マンにはなかなか取れません。感謝の気持ちはあっても、それを訪問という形で表す時間は取れないのです。

営業マンの時給は、そこそこ高いと思います。1000円とか2000円の菓子折り1つで、何度も顔を出さなければ伝わらない気持ちが伝わるのならば、かなりコスパは良いと思います。

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① クロージングの役割りと事前準備

営業活動の中で特にクロージングのためにする事前準備のお話をします。お客様が断る気でいるのに、クロージングに進んではいけません。クロージングに苦手意識のある人は、クロージングでNOをYESに変えようとしているのではないでしょうか。

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② クロージングでする事としてはいけない事

クロージングであってはならない事は、商品提案まででお客様が買う気になっているのに、クロージングで断られる事です。クロージングで、してはいけない何かをしてしまっているのですが、今回はそのお話です。

 

 

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