王道テーマ

② クロージングでする事としてはいけない事

2022年4月29日

前ページ     ① クロージングの役割りと事前準備

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営業関係の王道のテーマの1つ「クロージング」です。前回は、事前準備としてクロージングのためにしておく事でした。

今回は、クロージングの時にする事、というよりもクロージングの時にしてはいけない事がメインです。

そして、次回は、断られそうなのにクロージングに進まなければならない時と、クロージングの後のフォローについてです。

クロージングであってはならない結果

クロージングであってはならない事は、商品提案まででお客様が買う気になっているのに、クロージングで断られる事です。

営業センスのある人ならば、「あり得ないだろ。」って思いますよね。しかし、クロージングの下手な人には度々起こっているんです。恥ずかしくて悪態をついたり、人に言っていないだけです。何かの引き金を引いてしまっているのですが、その引き金を引かないためのお話をします。

参考 商品説明、商品提案、商品販売の違い はこちら
商品説明、商品提案、商品販売の違いとやり方のコツ

営業の現場では、商品説明から提案、販売と、いつもステップを踏んで進んで行ける訳ではありません。商品説明・提案・販売の注意点や心構えの違いがしっかり解っていると、ミスも減りますし、話にメリハリも出て来ます。

クロージングの序盤から中盤

クロージングに進んだら、声を張って、明るく朗らかな声で話し始めましょう。お客様が、身構えず、気持ち良く話を聞き始められるように。

商品提案の時に発見した、お客様が一番魅力を感じていると思える商品の特徴を武器に商品を勧めます。

その際、商品の魅力やメリットを全部伝えようとする人がいますが、それダメです。商品説明はもう済んでいるので、この段階で商品内容をもれなく話す必要はありません。極端な話、お客様が一番魅力を感じている特徴を連呼して押し切るくらいのつもりで構いません。

約定に必要と思える事だけに話を絞ります。お客様が話題を変えて来ても、直ぐに話を元に戻します。ましてや、自分から余計な事に話を拡げてはいけません。

スポーツに例えると

私は、テニスをしていましたのでテニスに例えます。

試合で、自分よりも弱い相手には絶対負けない、試合に強い人がいます。一方で、上手いのに、勝てる試合を時々取り零す人がいます。

色々理由はあると思いますが、こんなケースがあります。

試合で、対戦相手がバックハンドでポロポロミスをしていたとします。その場合、ただ、淡々とバックハンドに返球していれば大抵勝てるのです。

ところが、勝てる試合を取り零す人は、なぜかドロップショットを打ってみたり、左右に振ってみたりと、持てる技術を惜しみなく使って勝とうとしたりします。

その中のどれかの対応に相手の得意な事があれば、相手にチャンスを与える事になります。それがきっかけで、こちらの弱点が見つかろうものなら負けも見えてきます。さらに、初見なら決まる技も、見せてしまっていたら決まる確率はグンと下がります。

勝てる試合で、引き出しを全部開けて見せる必要はありません。クロージングも同じです。商品の魅力の中でも、そのお客様に効果のある魅力だけを、必要なだけ使います。

 

クロージングは、入り口こそ明るく朗らかな声で話し始めますが、表情や声は、終始真剣さが伝わるように意識しましょう。基本的に笑顔はいりません。

ただ、お客様が切羽詰まった表情を見せていたりしたら、少し和らげるために笑顔は必要です。お客様の気持ちを、良い緊張状態に維持したいところです。そのために、表情や声はすごく大切なポイントです。

クロージングの終盤 不用意な一言に注意!

クロージングも終盤に入って、いよいよ約定しそうになった時・・・要注意です。

ここで、「他にもこんな魅力があります。」などのように、別の魅力を持ち出してダメ押しを図る事がよくあります。

それ自体は悪い事ではなく、営業センスのある人は、非常に上手く使いこなします。しかし、これは、絶対必要な訳ではないので、必要ないと思ったらやらなくても良いです。

なぜなら、クロージングの下手な人は、ここで不用意な一言を発して、お客様の心に急ブレーキをかけてしまう事があるからです。約定しそうな時に、余計な事を言ってはいけません。

営業センスのある人は、ここで別の話題(商品の別の魅力)を出したら、どのくらいの効果があるのか、ある程度わかって出しています。意識的かどうかは別にして、計算して出しているのです。

クロージングの下手な人は、「何となく良さそう」とか、「絶対プラスのはず(効果はわからないけど)」の状態で、別(商品の別の魅力)の話をするため、時々とんでもない事になるのです。

繰り返し言います。約定しそうな時に、余計な事は言ってはいけません。

クロージングの最後 約定を取りに行く時

クロージングでは、表情や声は、終始真剣さが伝わるように意識しますが、特に約定を取る時、決断をせまる時に笑顔を見せてはいけません。

ファーストフードや量販店の販売員のイメージが強いのか、約定を取りに行く時に満面の笑顔を見せる営業マンがいます。

営業マンは、単価の安い消耗品を1つづつ販売している訳ではありません。単価の安い物であれば、大量販売するために営業マンはいます。お客様がかなり真剣に選ぶ商品を扱っているのです。

笑顔では、お客様の真剣な気持ちを後押しする事は出来ません。真剣な表情と声で後押ししましょう。

因みに、航空機や高級レストランのサービス中の笑顔は、約定を取る時の笑顔ですらありません。約定後の笑顔です。

そして異論もあると思いますが、最後は、「商品を買って欲しい」「取引きをして欲しい」という気持ちと「お願いします」という気持ちと、勢いです。人間と人間の取引きなのですから。

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③ 難易度の高いクロージングと約定後のフォロー

今回は、断られそうなのにクロージングに進まなければならない時と、クロージングの後のフォローについてです。

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① クロージングの役割りと事前準備

営業活動の中で特にクロージングのためにする事前準備のお話をします。お客様が断る気でいるのに、クロージングに進んではいけません。クロージングに苦手意識のある人は、クロージングでNOをYESに変えようとしているのではないでしょうか。

 

 

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