営業関係の王道のテーマの1つ「クロージング」です。苦手意識のある人が非常に多いテーマです。今回は、事前準備としてクロージングのためにしておく事についてお話します。
目次
クロージングの役割りとは?
理想のクロージングは?と聞かれてどんな情景を思い浮かべるでしょうか。私の理想のクロージングはクロージングがない事です。
商品提案をした後、金額を提示したら「じゃあ、それで。」というのが理想です。まあ、そうなったらそうなったで「金額が少なすぎたかな?」と後悔するのでしょうけれども。
しかし、実際に「クロージングに勝負を賭ける」という状況には持っていきたくありません。
お客様の気持ちの8割は、クロージングの前に決まっていると思って良いと思います。
気持ちは決まっていても迷いがあります。迷いを取り払ってあげて、迷っている範囲の中で(営業マンにとって)一番良い結果に導いて決断してもらい、約定するのがクロージングの主な役割りだと考えています。
クロージングに苦手意識のある人は、クロージングでNOをYESに変えようとしているのではないでしょうか。
クロージングのための事前準備を意識する
営業活動として、普通にやる事をやっていれば不足はないのですが、営業活動の中で特にクロージングに使える事前準備のお話をします。
① まず、自分を売り込む事。最低でも、「この人と取引きしても大丈夫」と安心感を持ってもらえていないと、商品販売の妨げになります。出来るなら、「この人と取引きしたい」と思ってもらえていると非常に良いです。
② 自分がお客様に、好意、好感を持っている事もお客様に伝わっていないといけません。これが伝わっていないと、クロージングで「お客様のために・・・」などと言っても虚しいだけです。例え、それが本気だとしても信じてもらえません。悲しく辛い気持ちになります。
③ お客様のご要望に応えたり、粗品を渡したり、接待したりなどで、「断ったら悪いな」という気持ちを少しでも持ってもらえていると、約定率は上がります。取引きのあるお客様ならば、「この前、良い商品を勧めてもらった」なども大きなプラス材料です。
④ 商品説明では、商品内容を一通り説明する中で、リスクやデメリットなども事前にしっかりと説明しておきます。クロージングの時にマイナスの話はしたくありませんからね。
最後にもう一度、リスクやデメリットを説明するのならば、クロージングの後の約定内容の確認の時です。
そして、商品説明の際には、お客様の興味を探ります。これすごく大事です。お客様が、その商品のどこにどのくらい魅力やメリットを感じているのか、よ~く観察します。
ここまで来たら、お客様が買う気になっているか、なっていないか、或いは迷っているかわかると思います。
クロージングに進んではいけない時もある
商品説明まで終わって、お客様が断る気でいるのにクロージングに進んではいけません。
「当たり前だろ」って思える人は良いのですが、多くの営業マンはクロージングに全てを賭けて進んでしまいます。
他の営業はわかりませんが、証券営業の現場では、限られた時間の中で訪問し、日々成約を持って帰らなければなりません。訪問先で1~2時間の間に商品提案からクロージングまでこなさなければならない事も普通にあります。課長にも毎日結果を聞かれます。なので、焦る気持ちはわかります。
しかし、断られた後の事を考えて下さい。断られた後の営業は、「しつこい」と言われないための配慮も必要になってくるため、格段にやりにくくなります。
まとめます。
- 自分を売り込み安心感を持ってもらう。
- お客様に好意を持っている事を確実に伝える。
- お客様に断ったら悪いなという気持ちを持ってもらう。
と確実に進んで行って、商品提案、クロージングと進んで行く事が、クロージングの一番大きなコツだと思います。
そして、お客様が断る気でいるのに、一発逆転を賭けてクロージングに進んではいけません。
しかし、「商品に販売期限がある」、「今日までに結果を持って帰らなければならない」など、どうしてもクロージングに進まなければならない事がある事もわかります。
次回からは、その辺りも含めてクロージングのお話しをします。
-
② クロージングでする事としてはいけない事
クロージングであってはならない事は、商品提案まででお客様が買う気になっているのに、クロージングで断られる事です。クロージングで、してはいけない何かをしてしまっているのですが、今回はそのお話です。