営業共通

営業力を付けるって、具体的に何を目指せばいいの?

2022年1月14日

このブログの第1話目に、この話題を選ばせていただきました。営業力を付けるために何を目指すのか。ハッキリさせましょう。

営業力とは、自分の意見を通した上でお客様と良好な関係を築く力

「営業力がある」とはどういう事でしょうか。大きな仕事を取ってくる?商品に詳しい?説明が上手い?人脈がある?

ここをはっきりと理解しておかないと、ゴールがわからなくなり、営業が出来るようになるために学んでいく事が、ふわふわとつかみ所がないものになってしまいます。

営業向きと思われるような人は自然と理解していますが、不向きと思われる人はまったく意識していないように思われます。

営業力とは、突き詰めて言ってしまえば、「自分の意見を通した上で、お客様と良好な関係を築く力」です。折衝力や交渉力などと近いイメージですが、営業はその後もずっと続きます。

この能力は色々な職務に応用が利きますので、営業を続けるつもりがなくても、身に付けておけば大きなメリットがあります。

営業マンの延長線上では、歩合制の営業マン、独立して事業を起こす、出世して部長や取締役になるなどの収入アップの道が拓けてきます。

当たり前の事ですが、営業職は「自分の意見を通した上で、人と上手くやっていける能力」を身に付けるためには、非常に恵まれた環境だと言えます。

将来的に転職を考えているにしても、せっかく営業マンをしているのですから、この能力だけは身に付けてから次にいきましょう。

営業職以外の職種では、社内の上司や他部所の人を相手に折衝力などを磨く事になり、相手にする人数が限られています。

しかし、営業は他の職種とは、比較にならない数の人(お客様、上司など)を相手に経験を積む事が出来、営業力を身に付ける過程で失敗を繰り返す事も許されます。

(ここでの営業はリテール営業のお話で、失敗も裁判沙汰になるような失敗は想定していません。)

自分の意見を通しても嫌われない方法

「自分の意見を通した上で、人と上手くやっていく」ためには、何が必要なのでしょうか。

「自分の意見を通す」という行為は、少なからず関係を悪化させる要素です。営業でいうと、主に「○○を○○個買って下さい。」という話です。

関係を悪化させる要素ですが、商品や数量によっては、好まれる要素にもなり得ます。「プレミアム商品を取ってきてくれた」とか「いつも良い商品を紹介してくれる」などお客様の需要の範囲内であれば好まれます。

例えば、販売目標1500個の商品があり、稼働しているお客様が100人いて平均10個の需要があったとします。1000個までは気持ち良く購入して戴けますが、そのまま販売すると残り500個は関係を悪化させて購入してもらう事になります。

営業の現場は、だいたいこの状態です。販売目標は本部の決める事で、営業マンやその上司にどうこう出来る事ではありません。たまに、自分で目標設定するようにと指示が出る事もありますが、少ないとお呼びがかかります。

関係を悪化させる要素を好まれる要素にする方法が2つあります。

1つはお客様の需要を拡げる方法です。今までAという商品は10個で良いと思っていたお客様に、20個欲しいと思ってもらう事です。また、Bという別の商品の需要を開拓する事も良い方法です。

即効性のある方法なので、上司もこの指示を出しますし、営業マンもついついこの方法に頼ってしまいます。本当に需要が拡がっていれば良いのですが、そうでない場合と見分けが付きにくいため注意が必要です。

お客様は心の中では嫌だと思っていたり、不信に思っていたりしても、笑顔で購入してくれます。それに気付かないと、ある日突然「取引きを止めます!」と言われてしまいます。出来る営業マンにはあり得ないと思える話かも知れませんが、出来ない営業マンにはよく起こる話です。

もう1つは、稼働客を増やすという方法です。稼働するお客様を、毎月3人5人と増やしていく方法です。手間も時間も掛かる方法ですが、これをしないといつまでたっても苦しいままですし、先細りになってしまいます。

また、時間が掛かる方法なので、目先の数字を追う営業現場では驚くほど軽視されがちですが、新規開拓や未稼働客の稼働は営業マンにとって1番大切な仕事です。

個人的には、新規開拓が出来れば何も恐くないと思っています。また、さも出来て当たり前という顔をしている支店長様や営業課長さんも半数以上の人は、紹介以外の方法での新規開拓は、まったく出来ないと思います。それ程、新規開拓は習得の難しいスキルです。

営業マンは「需要のない分の販売」以外の事で嫌われてはいけません

販売目標はだいたい実際の需要よりも多いため、需要のない分を購入してもらう事は、お客様との関係を悪化させる要素になります。

お客様と良好な関係を築くためには、営業マンは「需要のない分の販売」以外の事で嫌われてはいけません。嫌われてはいけないというか、むしろ、好かれなければいけません。

例えば、商品知識、説明力、マメさ、礼儀(マナー)、常識、身なり、清潔さ、声の質、親しみやすさ、知的さ等々、程度によって好かれもするし嫌われもする要素がいろいろあります。

営業の仕事は、細かな事1つ1つで点数を稼いで、お客様の需要以上に購入していただくマイナス要素と相殺するイメージです。

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